脱毛に関する病気について2つのケースについて調べてみました。
1.医療脱毛、脱毛サロンで脱毛を受ける際に断られてしまう病気について
2.髪の毛が抜けてしまう症状のある病気について
この2つのケースについて説明したいと思います。
脱毛サロンで脱毛を受ける際に断られてしまう病気について
今まで行ったことのない脱毛サロンに行くとまず最初に必ずカウンセリングを受けます。
その際に、
・現在病気にかかっていいるか
・通院中であるかどうか
・現在飲んでいる薬はあるか、その場合どんな薬を飲んでいるか
・過去に大きな病気はしたことがあるかどうか
・過去半年以内に入院したことはあるかどうか
といった、病気についてや現在飲んでいる薬について質問されます。
なぜ、このような質問をされるかというと、病気や現在飲んでいる薬によっては脱毛を受けることが出来ないからです。
もし、施術が出来ない病気がある場合や施術不可の薬を服用しているのにも関わらず脱毛を
受けてしまった場合、体に大きなダメージを受けてしまう可能性があります。
それを避けるためにも、初回のカウンセリング時に多くの確認事項が用意されています。
脱毛施術できない病気
サロンやエステによって対応は違いますが、次のような病気の方は施術を断られることが
少なくありません。
てんかん
てんかんは多くの脱毛サロンで施術ができない病気に指定されています。
電気刺激や光による刺激で、てんかんの発作が起こると、
意識が消失する、応答がなくなる、全身を痙攣させるなどの症状がみられる病気で
発作の時、本人は意識を失っていて周囲の状況がわからなくなるという特徴があります。
以下の場合は施術を断られることがあるようです。
・薬を服用している場合
抗てんかん薬を服用している場合は、クリニックであっても施術することが出来ません。
・薬剤抵抗性てんかん(難治性てんかん)
てんかん治療では、まず抗てんかん薬を用いた薬剤治療が行われます。
薬によっててんかん発作が消失しない場合は、難治性てんかん(または薬剤抵抗性てんかん)
と呼ばれます。
・光感受性発作
強い光や光の点滅によって、痙攣や吐き気などの症状が起きることを指します。
特に暗い部屋でテレビを見た時、光による刺激がより強くなり、脳波に異常が起きることが
あります。
甲状腺疾患
甲状腺疾患は、甲状腺の障害や異常によって引き起こされる病気の総称です。
主に3つに分けれます。
・甲状腺全体が腫れるタイプ
・甲状腺の一部に腫瘍(しこり)ができるタイプ
・甲状腺の一部が腫れるタイプ
です。脱毛サロンでは種類を問わず、甲状腺疾患の方は施術を断られることが
ほとんどのようです。
甲状腺は新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンを分泌する役割を持ちます。
この働きが強くなりすぎると身体は消耗傾向に傾き、弱まると新陳代謝が低下し、
それに伴い身体機能も低下します。
そのため甲状腺疾患の方は脱毛施術中に大きな肌トラブルを起こしたり、ホルモンバランスが
悪いと毛周期のリズムが狂ったり、身体の抵抗力が落ちていることから炎症や腫れなどが
引き起こされやすくなったりします。
他にも、服用している薬によっては脱毛マシンとの相性が悪い場合があり、
ほとんどの脱毛サロンでは施術不可能となっているようです。
心疾患
心疾患は心臓に起こる病気の総称です。代表的なものは狭心症や心筋梗塞などがあります。
心臓病と脱毛施術に直接的な因果関係はありませんが、脱毛時の刺激や痛みなどが引き金となり、
病気を重篤化させたり、発作を引き起こしたりする危険性が否定出来ないためです。
そのため、ほとんどの脱毛サロンでは心疾患の方は、脱毛施術を断られることがあるようです。
光過敏症(光アレルギー)
日光アレルギー(日光蕁麻疹)も光過敏症のひとつです。
フラッシュ脱毛・レーザー脱毛では、色素に反応する特殊な光線を使用するため、
脱毛による肌トラブルのリスクが高くなるため光過敏症の人は施術できません。
皮膚がん
脱毛することで皮膚がんが悪化する直接的な因果関係は全くありませんが、皮膚に余計な
負担をかけないためにも脱毛をすることは出来ません。
皮膚がんの要因となるのは紫外線です。フラッシュ脱毛・レーザー脱毛で使用するのは紫外線よりも波長の長い、赤外線に近い光線です。
皮膚がんになりやすくなるリスクはありませんが、もともと皮膚がんを患っている人は皮膚に負担をかけてはいけないので、脱毛することは出来ません。抗がん剤の副作用に光過敏症があるのも
その原因です。
糖尿病
糖尿病を治療中の方は、自己免疫機能が弱まり、皮膚を損傷した場合に治りにくくなるといった
リスクが高いです。また、緑内障と同じく、処方薬によっては光過敏症の副作用もあるので、
脱毛することは出来ません。
皮膚疾患
色素斑、ヘルペスなど何かしらの皮膚疾患を患っている場合は注意が必要です。
脱毛の刺激によって症状を悪化させる可能性があり、軽度の疾患でもサロンやクリニックに
相談したほうがいいでしょう。
また、皮膚病でステロイドなどの外用薬を使用していると、その部分に照射したとき色素沈着が
できてしまう可能性があります。
皮膚科医の許可が得られれば施術ができる場合もあるので、皮膚病の治療中に
初回カウンセリングがあるなら、医師の診断書や施術許可証を持って行きましょう。
緑内障
緑内障は、視神経に障害が生じる病気。目の周りに光照射することはないので、脱毛との
直接的な因果関係はないのですが、緑内障で処方される点眼薬によっては副作用として
光過敏症を起こしかねません。内服薬でも注意が必要です。
肝臓病
ウィルス性肝炎などの感染病は、サロンやクリニック内での感染リスクを避けるために、
施術を拒否される事があります。
その他の脱毛できない疾患・症状
骨粗しょう症、ヘルニアの人も、だつもうによって病気の症状が悪化する可能性ああるので、
施術を断られる事があります。
カウンセリングで相談する必要がある薬
・血圧降下剤
・ステロイド剤
・抗がん剤
・抗生物質
・高精神病薬、抗うつ剤
・抗ヒスタミン剤
・解熱鎮痛剤
・抗菌剤
・利尿剤
髪の毛が抜けてしまう症状のある病気について
さまざまな病気の症状として、髪の毛や体毛が抜ける場合があります。
年齢や遺伝から来る薄毛だと思っていたら、別の病気だったという危険もあります。
男性の薄毛の原因の90%はAGAですが、他にもさまざまな病気が原因で脱毛が症状として
現れる事があります。
例えば甲状腺疾患で髪の毛が抜けている場合にAGAの治療薬を使っても
一向に治りません。正しく甲状腺疾患の治療を行うことで脱毛症は治ります。
また、AGAと甲状腺疾患が併発していることもあります。その時はAGAと甲状腺疾患の両方を
治療する必要があります。抜け毛が多すぎるなどの以上を感じたときはすぐに専門医の診察を
受けてみることをおすすめします。
脱毛症の主な原因と症状は?
一般的に40代後半になると、薄毛・抜け毛は増加します。これは加齢によるもので仕方がないで
しょう。しかし、最近は20代、30代でも薄毛を気にする人が増えてきているようです。
毛髪は正常な状態でも毛周期と呼ばれる一定のサイクル(成長期→退行期→休止期→脱毛)で抜けては生えるを繰り返しています。1日100本程度なら、自然現象なので心配はいりません。
しかし、何らかの原因で抜ける毛髪が多くなってしまう状態が脱毛症です。
1日100本程度なら自然現象なので心配いりませんが、それ以上髪が抜けるようであれば
脱毛症が疑われます。脱毛症はひとつの病気ではありません。脱毛が起きる原因や実際に毛髪を
作る毛包(皮膚に埋もれた毛髪の根本の部分)がどの程度壊されるのかなどをもとに幾つかに
分類されています。
症状ついて共通しているのは毛が抜けることですが、脱毛症の種類によって脱毛の仕方が異なります。皮膚科を受診される脱毛症患者さんのおおくは円形脱毛症と男性型(女性型)脱毛症です。
軽く考えていると危険な病気もあります
急に抜け毛が増えると、多くの人は育毛を考えるでしょう。
しかし、頭皮の栄養状態に問題がなかった場合は思うように育毛が行えないでしょう。
そのなときは、別の部分に原因が隠されているということも考えられます。
抜け毛の症状が現れる病気の筆頭にあげられるのは甲状腺の異常、膠原病(こうげんびょう)、
鉄欠乏性貧血です。おかしいと感じたら、迷わずに内科へ行きましょう。
髪の毛が抜ける症状がある病気
病的脱毛症
加齢や遺伝、生活習慣などが主原因の薄毛以外で、疾患として急速に脱毛するものを病的脱毛症と呼びます。円形脱毛症などがそれにあたり、頭皮の一部分だけが円形に抜け落ちてしまう・
女性や子供に多く見られる・数週間から1年ほどで元通りに自然治癒することなどから
何らかの疾患であると考えられています。
円形脱毛症
円形脱毛症は毛髪を作るおおもとになる毛包のうち毛根の部分が炎症により破壊される
ことにより生じます。コインのように円形の脱毛斑が出来るのが特徴ですが、
重症な場合は脱毛斑がどんどん大きくなる、あるいはたくさんの脱毛斑ができてしまうことも
あります。最も重症な場合は体毛も含めて全身の毛髪が失われることもあります。
本来、自分の身体を細菌やウィルスと行った外敵から守るために活躍するリンパ球と
よばれる細胞が誤って毛包を攻撃してしまうことによって生じると考えられています。
円形脱毛症の原因になると考えられているものを紹介します。
自己免疫疾患
円形脱毛症の原因として近年有力視されているのが、自己免疫疾患です。
自己免疫疾患とは、外部からの侵入物を攻撃することで私達の身体を守ってくれている
免疫系に異常が生じ、自分の体の一部分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。
その激しい攻撃により毛根がいたんで、元気な髪の毛でさえ抜け落ちてしまうのです。
しかし、その原因はわかっていません。
アトピー素因
アトピー素因とは、アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎)を持って
いる人のことをいいます。円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持つといわれています。
精神的ストレスによる影響
円形脱毛症の発症要因のひとつとして、精神的ストレスが挙げられます。
精神的ストレスを受けると、それに抵抗するために交感神経が活発に動きます。
交感神経は、心肺を早く動かしたり体温を上げるなどの働きがあり、身体がストレスと
闘う準備してくれます。
このとき、ストレスが強すぎたり長く続いたりすると、交感神経に異常をきたします。
その結果、血管を収縮させ、頭部への血流が悪くなり、毛根への栄養補給が行き届かなくなって
脱毛が引き起こされると考えられます。
遺伝的要素
中国で行われた大規模な調査によると、円形脱毛症患者の薬8.4%に、同じ病気を抱えている家族がいると報告されていいます。それは親等が近いほど発症率が高く、欧米の調査でも、円形脱毛症患者の一親等の発症率は、二親等以上の家族の10倍に及ぶという結果が出ています。
このことから円形脱毛症には遺伝的要素が関係する可能性が高いと考えられています。
出産後の変化
妊娠から出産後における女性ホルモンの現象も、原因のひとつと言われています。
妊娠中、体内の女性ホルモン値は通常の100倍以上に増加しています。
それが、出産すると一気に通常値に戻ります。女性ホルモンには発毛作用があり、
逆に減少すると抜け毛につながることから、毛周期との関係で産後3~4ヶ月に抜け毛が多くなります。
男性型脱毛症
男性型(女性型)脱毛症は性ホルモン、特に男性モルモンの影響によりある特定のパターンを
もって脱毛が進行していく状態をいいます。男性は前頭部からM字型にあるいは頭頂部から円形に
脱毛が進行します。
女性の場合は前頭部の毛髪は比較的維持されますが、前頭部から頭頂部の間が薄毛になるという
特徴があります。脱毛の症状はゆるやかに進行します。ある程度遺伝性があるとされています。
このような脱毛が生じるのは、主として男性ホルモンの影響により毛の生え変わり(毛周期)が
早くなり毛包が十分に大きくなる前に毛髪が抜けてしまうことを繰り返すため毛包本体が小さくなるからです。そのため大人のしっかりした毛髪が産毛のようになり脱毛します。
ダイエットが抜け毛につながる?
女性に多く見られる脱毛症は、全身状態、疾患に伴う脱毛症です。
全身状態に伴うものとしては過度なダイエットによる鉄欠乏性貧血などの栄養障害が、
疾患に伴うものとしては甲状腺機能の異常が挙げれます。
過度なダイエットによるものは、バランスのよい食事を摂る生活習慣を見直すなど自分で防ぐことが出来るでしょう。
しかし、疾患に伴うものは病院で適切な治療を行う必要があります。薄毛・抜け毛の他に
便秘・発汗減少・皮膚の乾燥・体重の増加・無力感・眼球が出る・のどぼとけ(甲状腺がある場所)が痛いなどの症状を自覚したら、早めに内科・皮膚科へ受診されることをおすすめします。
同じ髪型をしていると…
髪型で起こる脱毛は、機械的(解消性)脱毛症です。
その原因である牽引性脱毛症は、髪を引っ張ることで起こる脱毛です。
圧迫性脱毛症は、きつい帽子などをかぶることで頭皮が圧迫されて起こる脱毛です。
それらの原因を取り除くことで防ぐことができます。
成長期脱毛症は男女関係なく、ストレスなどが原因で起こる脱毛です。
10円ハゲ、円形脱毛症と呼ばれるものですが、毛母細胞の活動が休止している状態ですので、
ストレスを解消することで回復します。ストレスを溜めこまないようにしましょう。
頭皮の血行をよくする顔ヨガやブラッシングがおすすめです。
糖尿病
糖尿病になると血管の働きに異常が起き、栄養が細胞に伝わらなくなることで髪の毛が成長できず、細くなったり抜け毛が増えたりする事があります。血液の流れの悪い血管系一円が円形状の
薄毛になることもあるので一見すると円形脱毛症のようにも見えますが、円形脱毛症のようにツルツルに抜けるというよりは薄毛になる感じになります。
円形脱毛症は自己免疫疾患なので、糖尿病とは薄毛になる原因が根本的に異なります。
症状は似ていますが治療方法が全く異なりますので注意しましょう。
甲状腺の異常
甲状腺は喉の前面部にあり、身体の代謝機能を司る甲状腺ホルモンの分泌を行なっています。
代謝機能を司るということは、細胞の代謝にも大きく関わっているということであり、
異常が現れた場合には、頭皮にも悪影響を及ぼします。そしてこれが抜け毛の原因となっているということです。
抜け毛に加えて、冷え性になった・急に便秘がちになった・身体がむくみやすくなった
のような症状が現れているようであれば、ひとまず内科を受診しましょう。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量が不十分になる病気です。
顔が腫れぼったくなったり、皮膚の乾燥、体重の増加などの症状が出ます。全身がエネルギーを利用できなくなるために、様々な症状が出ます。全身がエネルギーを利用できなくなるために、様々な症状が出てきて、うつ病と間違われることもあります。
髪の毛は乾燥してバサバサになり、脆くなります。薄毛・抜け毛が多くなります。まつ毛なども抜け落ちることがあり、眉毛の外側3分の1が抜け落ちることもあります。
体表的なものに橋本病があります。
甲状腺機能亢進症
季節を問わず身体がほてり、大量に汗をかいたりします。だるくなる、足首がなくなるほど
むくむ、動機が激しくなると言った症状が出ます。症状が似ているので更年期障害と間違われることもあります。
髪の毛は細くやわらかくなり、全体的に薄くなるびまん性の脱毛が起こります。わき毛などが減ってくることがあります。
代表的なものにバセドー病があり、バセドー病の場合は脱毛をきたすことが多く、円形脱毛症を
併発することもあります。
脂漏性皮膚炎・脂漏性脱毛症
脂漏性皮膚炎の症状は
初期は皮脂が多くなり頭皮付近に大きなフケができます。匂いが気になる人もいますが、毛穴につまった皮脂が酸化することにより匂いがするようになります。
もう少し進むと炎症やかゆみなどの症状が出始めます。
悪化すると頭皮の湿疹、かゆみはどんどんひどくなり、頭皮にかさぶたのようなものが
目立つようになります。炎症が起きることで痛みが出る場合もあるようです。
さらに炎症がすすみ悪化すると抜け毛につながる方もいます。
慢性化や再発もしやすく、完治させるのに時間と労力のかかる病気です。
なかなか治らず困っている人が多いかと思います。酷い炎症で赤くなる肌、頭皮のかゆみ・フケ、
抜け毛などに何年も悩まされるのは嫌なものです。
脂漏性脱毛症は見た目にも頭皮が皮脂でべたべたしていて、毛穴にまでびっしりと皮脂がつまってしまっているのが分かります。皮脂を取っても、すぐに新しく皮脂が分泌されてしまうのも特徴です。また毛穴の奥まで炎症を引き起こしているため、脱毛が多くなり、頭皮が赤くなります。悪化するとかゆみなどの症状が出て来ます。
頭皮が炎症を起こしダメージを受けるために起こるので、炎症を起こしている部分の毛だけが抜けます。患部の炎症がなおれば髪の毛は元通りに生えてきます。
男性の場合はAGAと脂漏性皮膚炎を併発することもあります。AGAは前頭部やつむじ付近の頭頂部から薄くなるのが特徴ですが、脂漏性脱毛症は炎症を起こしている部分の脱毛が起こるだけなので、AGAのように毛髪が細くなったり、太く育たないといったことは起こりません。
AGAと合併している場合は脱毛だけでは見分けがつかきにくくなります。AGAでは脱毛しないはずの側頭部や後頭部に脱毛が起きたり、脱毛箇所に炎症やフケなどの皮膚の荒れが見られた場合は脂漏性皮膚炎との併発を疑いましょう。
薬剤性脱毛症
薬剤の副作用で脱毛が起こることがあります。
・がんによる症状の悪化でも脱毛は起こります。新たな病気の出現でもなく、単に放射線治療、
抗がん剤による一時的な副作用で起こります。
・C型肝炎の治療に用いられるインターフェロンなどでも起こります。
・その他にも、痛風、高脂血症、抗うつ剤、てんかんの薬なども脱毛が起こる可能性があります。
多くの場合、薬の投与を始めてから脱毛が生じるまでに長期間かかるので、どの薬が原因になっているかを見極めるのが困難です。原因となる薬がわかれば薬の投与をやめれば脱毛は止まりますが、数週間~数ヶ月に渡って影響が残ることもあります。
何か薬を服用していて抜け毛が増えた場合は主治医に相談してみましょう。
膠原病(こうげんびょう)
膠原病とは女性に多い病気で、全身の血管な皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気の総称です。 全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、リウマチなどがあります。
症状は原因不明の発熱、湿疹、関節痛などが共通で見られます。口内炎や頭髪が全体的に薄くなる脱毛が起こることもあります。
内科や膠原病を専門としている病院に受診しましょう。
膠原病というのは、ひとつの病気の名前ではなく、複数の自己免疫疾患の総称です。自己免疫疾患は、体の中の物質を異物だと誤認して免疫が攻撃してしまう病気です。
こうした免疫の働きによって毛根が攻撃され、脱毛が起こってしまうことがあります。
膠原病は、次のような様々な免疫疾患を総称した言葉です。
・全身性エリテマトーデス
発熱や倦怠感、皮膚の発疹などが起こります。SLEとも呼ばれる病気で、若い女性に多いという
特徴があります。男女比は1対9ともいわれているため、女性は特に注意をする必要があります。
女性の脱毛症の原因となる膠原病としてもっとも可能性が高いのが、この全身性エリテマトーデスです。
・皮膚筋炎
多発性筋炎・皮膚筋炎は、数週間から数ヶ月にわたって進行します。主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力の低下をきたす炎症性筋疾患です。
手指、肘関節や膝関節外側のがさがさした紅斑、上眼瞼の腫れぼったい紅斑などの特徴的な
皮膚症状がある場合は、皮膚筋炎と呼ばれます。
・関節リウマチ
いわゆるリウマチです。関節が痛む病気で、脱毛が起こる症状はありませんが、指の関節が痛むことで髪が洗いづらくなって頭皮の状態が悪くなったり、関節リウマチの治療薬の副作用で脱毛が起こるといったケースがあります。関節リウマチも女性の方がかかりやすい病気です。
・強皮症
手の指先から徐々に皮膚が硬くなっていく病気です。強皮症の患者には、寒い日などに、手足の先が白くなったりしびれると行ったレイノー現象が起こります。
・慢性胃腸疾患
慢性的な胃腸炎や潰瘍などの胃腸疾患を抱えている場合、栄養の消化吸収が不十分になるため、
育毛に必要な栄養素が不足して抜け毛・薄毛を引き起こすことがあります。
・頭部白癬(しらくも)
頭部白癬は、白癬菌が頭皮や髪の毛に感染することで引き起こされる病気です。
症状としては、頭皮から落屑(らくせつ)が大量にでるほか、抜け毛や切れ毛が発生し、
円形脱毛症に似た楕円形の脱毛斑があらわれます。
頭部白癬に感染すると、自然に治ることはほぼありません。症状が進行すると、頭髪全てが抜け落ちてしまうこともあります。周囲の人に感染させる可能性があるため、必ず病院で治療を受けるようにしましょう。
梅毒
梅毒に感染すると、症状が3週間後、3ヶ月後、3年後と変わっていきます。感染から約3ヶ月で
ピンク色の円形のアザが体の中心線にあたる部分に顔や手足にできます赤茶色の盛り上がったブツブツ、脱毛症状などがおこります。
梅毒の症状にも脱毛があります。脱毛が起こるのは感染後やや進行してからです。脱毛が起こる前に全身の皮膚や口腔のねね機などに発疹・炎症がおこります。
脱毛には頭髪が全体にまばらに脱毛する型と、後頭部や側頭部につめの大きさの円形または楕円形の脱毛部が多数発生する型があります。
亜鉛欠乏症
亜鉛は健康的な髪の毛を維持するために必要なミネラルです。亜鉛には髪の毛を作るためのタンパク質を合成したり、脱毛を引き起こす要因となる成分の分泌を抑える働きがあるといわれて
います。
亜鉛が不足すると、抜け毛や白髪が増加したり、髪の毛が細くなる・髪質が悪化するなどの症状が
あらわれます。また、味覚障害、肌荒れ、免疫力低下、疲労感、抑うつ、爪の変形などの症状が
報告されています。
鉄欠乏症貧血
体内の鉄分が不足しているために起こる貧血の症状です。体内の鉄分が不足すると赤血球のヘモグロビンの量が減り、体の各器官や細胞への血液の供給が遅れます。
この病気は男性や閉経後の女性には少なく、出産直後の女性や併映前の女性に多く見られます。
原因としては、食事からの鉄分摂取量の不足や、胃腸障害などにより摂取された鉄分の吸収力が
弱くなるというものが挙げられます。この病気も抜け毛の症状が現れることがあります。
脱毛だけでなく、毛髪が細くなる・毛髪がなかなか伸びない・抜け毛が目立つ・毛髪に茶色がかってツヤがなくなり、切れ毛がよく起こる
毛髪トラブルだけでなく、皮膚がカサカサになる・爪がかけやすい・月経が止まるなどの症状も
栄養不足によっておこります。
金属アレルギー(ニッケルアレルギー)
金属アレルギーにより、抜け毛が増えたり薄毛になることがあります。
髪の毛が抜けて、殆どなくなってしまうこともあります。
抜け毛につながるのはニッケルアレルギーです。歯に金属の詰め物が入っている場合、少しずつ
溶け出したニッケルが体内に入り、腸内でアレルゲンとして抗体ができてしまいます。
すると髪の毛の成長を阻害してしまいます。歯の詰め物を入れてから、長期間経ってから
突然発症することもあるので、なかなか気づきにくい疾患です。
パントテン酸欠乏症
パントテン酸はビタミンB群の一種で、等や物質などのエネルギー代謝に関わる働きや、副腎皮質ホルモンの合成に関わる働きがあります。抗生物質を長期間服用していたり、極端な偏食や
食事制限を行うと、パントテン酸欠乏症を引き起こします。
パントテン酸欠乏症の症状は、免疫力・抵抗力の低下、ストレス耐性の低下、動脈硬化、
抜け毛・白髪の増加、手足の知覚異常などがあります。
ビタミンB12 欠乏症
ビタミンB12が不足すると、貧血になり、白髪や薄毛の原因となります。また、悪性貧血、神経系障害、精神機能障害などの症状が生じることがあります。
先天性脱毛症
先天性脱毛症は非常にまれな症状で、生まれたときから頭部全体に柔らかいくせ毛があり、
あまり伸びません。近年、原因遺伝子がいくつか見つかっています。
下垂体機能低下症
脳下垂体は、多くのホルモンの分泌を行っている内分泌器官です。ホルモンの分泌が障害されて
起こる病気が下垂体機能低下症です。身長が伸びない、筋肉や骨量の低下、無月経、不妊症や
体重増加、脱力感を感じる、物忘れ、眠気と言った症状がおこります。
下垂体の機能が低下すると、性腺刺激ホルモンの分泌が低下するため、体毛が減ったり抜け落ちたりします。眉毛の外側3分の1が抜け落ちることもあります。
粃糠性(ひこうせい)脱毛症
皮脂が頭皮に不足し、乾燥したフケが発生し、抜け毛につながる脱毛症です。フケが毛穴を防ぐ
ことで頭皮が炎症を起こし、髪が成長できなくなってしまうのが原因です。
瘢痕(はんこん)性脱毛症
何らかの原因で皮膚が損傷を受けてしまった場合、その部分の毛根が死滅・活動停止に近い状態の脱毛症です。火傷や外傷などが原因で皮膚に損傷を受けた場合に起こりやすい症状です。
高脂血症
血中の油脂分が多くなり毛細血管の流れが悪くなことで頭皮に必要な栄養が行き渡らず抜け毛が
増加することがあります。また、高脂血症剤の副作用でも増加することがあります。
肝臓の機能障害
肝硬変などで神苑機能が著しく弱まると、体内の栄養バランスや代謝のコントロールに異常が起こって、毛根が抜け落ちてしまう症状です。
老人性脱毛症
人間は60歳を超えると、性差に関わりなく髪の毛を含む体毛が薄くなっていきます。
これを老人性脱毛症といい、脱成型脱毛症と異なり頭部全体(さらには全身)にわたって毛の減少があります。進行には個人差があり、男性型脱毛症を併発することが多いです。
女性に多い脱毛症
びまん性脱毛症
女性の薄毛の症状で最も多いのがびまん性脱毛症です。髪の毛が細くなり頭皮全体が薄毛になるのが特徴で、髪の分け目が目立つようになり、見た目に悩む女性が多い脱毛症です。
原因は加齢、ストレス、過度のダイエット、間違ったヘアケア等が挙げられます。
分娩後脱毛症
出産後は髪の成長を維持するエストロゲンが著しく減少するため、一気に抜け毛が多くなっていきます。通常は1年程度でもとに戻りますが、ストレスなどが原因で抜け毛が回復せず、
そのまま円形脱毛症を発症してしまうケースもあります。
また、高齢出産などで体力の回復が遅いときも、抜け毛が治るまで少し時間がかかります。
牽引性脱毛症
ヘアスタイルや間違ったヘアケアによる脱毛症。髪の長い女性に多いです。
いつも同じように髪を束ねて一定方向に引っ張り続けることで、髪の根元の負担となり抜け毛を
引き起こします。